採択率30%と20%は大きく違う

相変わらず,熱が下がりません.倦怠感がなくなりません.
ふぅ困ったものだ.
仕方ないから,再度お医者さんに.
すると,体調を自動コントロールする中枢がバグってますねwと.
ともかくもう風邪ではないらしい.
もらった漢方薬飲んで,早く治そう.

 

さて,入試とか就職とか,他のライバルに打ち勝って狭き門をくぐり抜けるというのは誰しも経験しているものと思うのです.

こういった競争の話がでてくると,倍率がどのぐらいだとか,採択率何%だとかいう話が出てきますが,これって実際どのくらい難しいことなのか,意外と直感的に分からないですよね.

確かに,倍率2倍と倍率10倍はぜんぜん違うというのは分かりますし,

宝くじ1等の当選倍率は,数字そのままなら倍率10,000,000倍なので,まぁ当たらないだろうというのは分かります.

しかし,2倍と10倍ではどう違うの?と聞かれても5倍難しいんじゃない?と答えるのが限界だと思います.

特に研究者の場合,研究予算の採択率がそういったことの1つに当たると思うのですが,この研究予算に関して面白い記事を見つけました.


「大学院生のつぶやき:研究助成の採択率を考える」

http://www.chem-station.com/blog/2010/12/post-221.html

 

研究費年々減らされてるのに,応募数は増えててやヴぁい.
という記事ですが,気になったのはこの記述.

>採択率30%程度では、
>『審査過程はうまく機能し最高の科学研究を選び出すことができる
>そうです。一方で、採択率20%以下では
>『同程度に価値のある複数の助成研究計画書からいずれかを選ぶという、不可能な選択を強いられている感じ
>となるようで、採択率が低い状況での審査は
>『あら探しの場と化し、マイナス思考に包まれ、各委員は、申請案件の長所を取り上げるのではなく、交付金を出さないための言い訳を探すようになる
>とまで述べられています。たった10%の違いでもその審査は厳しくなり、本来ならば支援したい研究でも落とさざるを得ない状況となるようです。
 

 採択率30%以下と20%以下では大きな違いがあるとのことですが,何故10%でこの大きな違いが生まれてしまうのかという理由までは触れられていません.

 

で,その理由を個人的に考えてみたのですが,多分次の理由だからでは無いのでしょうか.

いわゆる,働きアリの法則が当てはまるのではないのかなと思うのです.
20%がガチ働いて,60%が普通で,残り20%がサボってるっていうアレですよね.
まあ,これに当てはめれば一目瞭然なわけです.

採択率30%以下のときは,この働きアリ20%は間違いなく採択されるのです.で,残り10%分を普通60%から選べばよいのです.
しかもこの普通60%は働きアリ20%に比べて申請書の評価関数の分散も大きくなるので,選びやすいということになります.

しかし一転,採択率20%以下の時は,この働きアリ集団から選ばなくてはならないわけです.
ただでさえ良く出来る集団なので,評価関数的にも高得点で横並びして,分散も小さくなります.
するとあら探しするしか無いのです.
しかも,本当は通したい申請書から無理やり落とす理由を考えなくてはならないわけです.当然,公平な判断ができなくなることもあるわけです.

 

なのでまー,
研究費だけで無いですが,何事も挑むなら20%以上で少しでも高い採択率のものを選ぶほうが良いわけです.
逆に20%以下のモノに挑むなら,いくらちゃんとやっていても通るかどうかは運次第ということになります.

うん,いとおもしろきことなり.